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IL-21がエイズウィルスを抑制

論文

Adoro S. et al., (2015) IL-21 induces antiviral microRNA-29 in CD4 T cells to limit HIV-1 infection. Nature communication 6: 7562.

 

今回の論文は、エイズウィルスを抑制する効果がある因子としてIL-21がどうやら怪しいという論文。

 

IL-21(インターロイキン21):

インターロイキンとはサイトカイン(免疫細胞相互間の伝達物質タンパク)の一種。

IL-21は活性化CD-4 Tcellから分泌され、IL-15と協調的に働きNK細胞を活性化する。IL-21はさらに、T細胞、B細胞、NK細胞の増殖、分化を促進する

 

このIL-21はガン治療でも注目されているタンパクだけど、最近はウィルス感染における抑制因子としても注目が集まっている。

 

この論文では、エイズウィルスに感染前後、どちらにIL-2を添加してもウィルス抑制効果が見られたというもの。

 

手法がまた少し独特で、HLAC (Human lymphoid organ aggregate culture)という手法を使っている。

 

脾臓とリンパ節を取り出して、その組織に直接ウィルス感染をさせて、その後組織の免疫応答がどうなるかを観察している。私も脾臓細胞などを使ってウィルス感染実験をするけど、細胞を一つ一つバラバラにしてから、細胞に刺激を入れてウィルス感染をおこなう。HLACという手法では、細胞をバラバラにせず組織の状態で感染実験をおこなえるため、細胞に無理やり刺激を入れるというステップを挟まない。それによって、より生体内の生の反応を再現することができるのだ。

 

今回は、この手法によってIL-21がmicroRNAのfamily29を増やすことで、エイズウィルスを抑え込み、エイズの進行を抑制することがわかったのだ。このmicroRNAのfamily29は活性化CD4 T-cellが生み出している?くらいのところまでわかっている。

 

IL-21は感染前でも感染後でもエイズウィルスを抑制できることから、母系伝播によるウィルス感染を防いだり、感染後でも発症を抑制するために、患者の投薬にも利用できる。

 

これからもIL-21関係でどんどん論文が出てきそうな予感。