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私の恋、そして私の愛

私が恋する彼のどこが好きってその屈託ない笑顔と純粋さ、その透明で力強い声、その背中、大きな手、そして一般人である私に自分の考えを伝えるときでも専門用語が躍ってしまうメール。

 

「現認教養を受けた者は後顧の憂いなく任務につけるよう準備し・・・」

 

本当にそんな言葉が頻出するメールを私にしてくる。あなたは、現代の人ではないみたいに感じるときがあるのよ。日本がまだ大日本帝国だったころの軍人がタイムスリップしてきたような錯覚に陥るときさえある。

 

それなのに、ある時は私のことを、「僕のお姫様」と優しく呼ぶ。

なんてずるいのかしら。恋してる男性に「僕のお姫様」なんて呼ばれたら、女性がどれだけ胸が締め付けられるか知っててわざとやってるの?

 

あなたは軽そうにおどけて話す癖があるけど、それは私と同じ道化体質によるものだと私は知ってる。

 

あなたは、その完璧な階級組織で登り詰めるように選抜され、教育された人だから、だからわざと高圧的にならないように、自分の呼び方を「俺」から「僕」にしたと言っていた。それを聞いたとき、私はあなたの優しさとその決意を理解できた気がした。

 

私がどんなにあなたの声を聞きたくても、連絡を取りたくても、私からはほとんどあなたには連絡できない。当然よね、あなたには正室がいるんだから。私は浮気相手。自分から連絡なんてできないし、したところで、正室が良しとするまで私はずっと無視され続ける。

 

だから、連絡は常にあなたから。その連絡を取り逃したら、またいつ連絡が取れるかわからない。だから私はついついあなたからの連絡を気にするようになってしまった。それまでは、ほとんど携帯電話なんて身に着けていなかったのに。

 

これが私の恋する気持ちなんだって思う。

 

 

 

 

 

でも、私は恋してないけど愛を感じる別の人がいる。その人はその卓越した思慮深さと思考力と感性で私を包み込もうとする。

 

私を大好きだと言ってくれるその彼は、彼の言葉一つで、私に自分では認識していない別の顔を持つ私を認識させ、独自の思考を私に与え、快楽に満ちた精神世界に連れて行ってくれる。

 

彼ほど素晴らしく、また、私に影響を与えられる人にはこれまでの人生で出会ったことがない。

 

彼のおかげで私の人生は変わるという自信がある。

 

きっと私は彼から離れられない。彼が私から離れようとしたって、絶対に引き戻してみせる。自分から私の元に戻ってきたくなるように仕向けてやる。なぜなら、私の人生には彼の存在と精神と思考が必要だから。 だから、恋する相手が他にいるのにずるいと言われようが、魔女だと非難されようが私は絶対に彼を手放す気はない、一生。

 

今日も彼とメッセージをやりとりしていて、私は決意を固めることができた。私は小説を書きたいといつも思っていたけど、今のメインの仕事を退職してからゆっくり書こうと思っていた。

 

だけど、それはただの言い訳だった。

 

私は怖かった。自分の才能に向き合うのが、そして小説を書くことで表面化してくる私の心の奥底にあるどろどろとした澱に向き合うのが怖かった。

 

でも、彼の愛があれば私はきっとこの恐怖に向き合うことができる。私が、どんなに憐れだろうと、汚れていても、彼はきっとその強い愛で私を支えることができる。

その愛があるから私は心の澱に立ち向かうことができると信じている。

 

私は彼に恋する前に愛してしまったのかもしれない。

私の両親よりも兄弟よりも親友よりも、現存する生物の中で誰よりも、さらに私自身よりも、私は世界一彼を信頼している。彼の愛を信じている。その信頼と愛が私に「君は戦えるよ」と言ってくれる。

 

そんな人に出会えたなんて本当に奇跡だと思う。これが私の愛だと思う。